frontは7月20日をもって終了します。





大岩オスカール 「The Gift of Hope」
紙に鉛筆、水彩 
2000年
 
 
 
 
「ビーチチェアー」
 
20世紀は終わり、
私たちは新世紀の始めを生きています。
世の中は豊かになったと言え、
あまりにも不幸な人が多いことに驚きます。
 
人類は火や道具を使い始めて、
今のIT次代にたどり着くまで4万年以上かかりました。
しかし、自分の幼い子どもの成長を見ていると2年あまりで、
このIT技術をはるかにこえました。
人間が作るものは、その作者"人間"には、
一生かなわないことを実感しました。
 
『ノアの箱舟』のストーリーのように、
もし"明日大雨が来る"とすれば、
自分は何を新たな時代に持っていくかを考えてみました。
 
人間が作る"モノ"は何もいらないと思いました。
一脚のビーチチェアー以外は。
 
それは長い旅の後にたどりついた島で椅子を広げ、
空を眺めながら人間としての自分を感じたいからです。
 
現代人は人間であることを忘れ、
優れた人間が作る"モノ"になろうとして、
自分の作者"人間"にかなわなくなり、
不幸を感じているのかもしれません。
 
大岩オスカール
(「The Gift of Hope」東京都現代美術館/2001年 カタログより)







ギャラリーキャプションは、2014年3月より岐阜市金宝町にてセカンドスペースとして「front」を運営して参りましたが、この度、建物の取り壊しにともない、2017年7月20日をもって、この場所を閉じることにいたしました。

短い間ではございましたが、美術作家だけではなく、展覧会、ワークショップ、トークイベントなどを通じて、さまざまなジャンルの方々にも関わっていただきながら、ギャラリーでの展開とは異なる試みをつづけられましたことは、今後の大きな糧となりました。

7月1日より、最後の展示として大岩オスカールと藤本由紀夫の作品で、皆様をお迎えいたします。会期中は月、火曜日休みとし、7月19日(月/祝)はオープンいたします。

これまでたくさんのご支援、ご協力をいただきました方々に、厚く御礼申し上げます。

GALLERY CAPTION/ front
2017年6月



front:

大岩オスカール

藤本由紀夫

2017年7月1日(土)~20日(木)
13:00- 19:00
月火曜日 休 (ただし7月19日はオープン)